みんなと繋がれば力になる。いまこの輪を全国に!

2011.10.1
「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」設立総会における
神田香織・理事長(設立準備会代表)のあいさつ

 本日は「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」設立総会にご出席下さり心よりお礼申し上げます。

 周知のように福島県は大地震・津波被害に加え、東電・福島第一原発の事故で半年以上経った今でも放射能被害を受け続けています。いまだ毎時2億ベクレルの放射能が放出、事故以来、放射性物資の総放出量は85万テラベクレルと言われています。広島に投下された原爆の168個分のセシウムは、風にのって雨で落とされ福島県内のみならず、全国にホットスポットを作り出しました。農民から土地を、漁民から海を、こどもたちから未来を奪う放射能汚染の渦中にあるのが、福島県です。東電の電力は福島県民が1アンペアたりとも使用していないのに、です。

 私たち「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」の発起人は、全員福島県いわき市の出身です。故郷福島の人々に寄り添いながら、福島独自の支援・復興をめざし、文化活動を中心にし たネットワークの輪を広げるべくこの活動をスタートさせました。本日は発起人を代表して私、神田香織のきっかけを一席お聞き下さい。

 私、神田香織は講談師としてスタートラインに立ったその昔、たまたまサイパンへ遊びに行き、そこが色濃く残る「戦跡」とであったことで戦争の悲劇を講談で訴えたいと、25年前から『はだしのゲン』を語っております。ちょうどその年1986年4月26日、チェルノブイリの原発事故が起き、世界中が放射能被害を受けたことから、「軍事利用目的の原爆」も「平和利用目的の原発」も人類に同じ惨禍をもたらすと確信。9年前から原発事故に対する想像力をもってほしいと『チェルノブイリの祈り』を語り始めました。

 一連の作品を語るうちに「想像力」と「危機管理能力」がいかに大切かと痛感。5年前からは防災講談として津波から人々を救った『稲むらの火』を、4年前からは石炭から石油へのネルギー改革で炭坑閉山の嵐の中、フラで地域を活性化させた『フラガール物語』(映画でブレイク)を……そうです。これらの代表作がことごとく、3月11日に「出会って」しまったのです。しかもわが故郷で!

 痛恨の思いでした。永年語って来たのに…自分の無力を思い知らされました。しばらくは何も手がつきませんでしたが「なにくそ、負けてたまるか!」(『はだしのゲン』のセリフ)に背中をおされ、自分にできることを突きつめた結果、「これらの作品をもっと全国に発信し人々の感情に訴え、事故防止や災害対策に役立てたい」「その活動を通じて被災地を応援し続けたい」「それには個人よりNPOがいいかも」、と思うに至ったのが5月のことです。

 まず、NPOに詳しい友人に相談、感触を得て、3月から呼びかけ人をつとめた「故郷いわきを支援する女たちの会」に提案(この会は8月までに40万円以上の義援金を集め、いわき市に届ける)。同会から有志数名が「ふくしま支援」に発起人として参加、さらに磐城高校の友人達にも発起人に参加してもらい、今日の運びとなった次第です。

「ひとりでは気弱になる、でも、みんなと繋がれば力になる。この輪を全国に!」

 全国各地、公演の度に訴えていると関心と支援の輪が広がって行く手応えを感じています。
 福島の復興はこれからの日本社会のあり方にも深くかかわります。復興には、長い時間と費用がかかります。私たちは継続的な支援体制を築くため、 団体のNPO法人化をめざします。

 きょうご参加の賛同者の皆様には、わたしたちとともに末永い福島支援の輪を広げるための中心となっていただけますよう、心よりお願い申し上げます。

神田香織
「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」
設立準備会代表
理事長
講談師