特定非営利活動法人「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」





10.15〜16 いわき市、飯舘村を巡るふくしまツアー報告 (2016.10.24更新)

ふくしまツアー参加者募集 <飯舘村からふくしまを考える> (2016.08.29更新)

2月21日、福島のコミュニティー再生事業として、今回は南相馬へ行ってきました。 (2016.03.03更新)

会津自然エネルギー事業ツアー レポート (2015.09.16更新)

2015年9月ふくしまツアーのお知らせ (2015.07.21更新)

韓国の原発の現状を知り、日韓市民の連携で脱原発への道を拓こう 2015.4.17~20 韓国・古里原発視察ツアー報告 (2015.05.15更新)

NPOまつもと子ども留学基金 (2015.03.19更新)


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2015.09.16

会津自然エネルギー事業ツアー レポート (2015.9.12~13)

監事 広重省一

 震災後5年目を迎えるなか、原発に依存しない自立的な地域づくりを目指して、自然エネルギーを活用する会津電力と市民の運動を視察し、脱原発の実践を肌身で感じよう。日本の原風景が残る奥会津の自然と風土に根ざした産業と暮らしぶりを通して、近代化の先にあるべき地域の姿を考えよう──こうした趣旨から、9月12~13日の2日間にわたり「会津自然エネルギー事業ツアー」を実施しました。当NPOの理事・会員有志、さらに各地域で脱原発・自然エネルギー運動を追求している人々など、合計23人が参加しました。

会津自然エネルギー事業ツアー行程

9/12(土) 東京→喜多方市
・会津電力雄国発電所視察及びレクチャー(「会津電力」佐藤彌右衛門社長)
・大和川酒造見学
・大和川酒造昭和蔵にて神田香織・講談公演
・地域の方も含めた懇親会・交流
9/13(日) 喜多方市→昭和村→三島町→郡山市→東京
・昭和村からむしの里(織姫交流館)見学
・三島町 西隆寺視察及びレクチャー(「奥会津書房」編集長 遠藤由美子さん)
・郡山市県教職員組合郡山支部にて放射能ゴミ焼却炉についてレクチャー
 (「放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会」和田央子さん)

地域のエネルギー資源を市民の手に取り戻す──会津電力

 会津電力雄国発電所は同社最大のメガソーラー発電施設で、発電容量は1MW(1,000KW)、パネル枚数3,740枚、年間予想発電量963,600KWh(一般家庭約300世帯分相当)で2014年10月に稼働しました。26,707㎡の敷地に聳え立つパネル群は実に壮大で圧倒されました。地域の雪害対策としてパネルを2.5mの高さで設置し、角度を30度として落雪をスムーズにする工夫をしていました。この他にも、災害リスクを低減し、分散型の発電所として活用するため、市民ファンド対象事業として250KW1ヶ所、50KW20ヶ所の小規模ソーラーを会津地域多数ヶ所に設置しているとのことです。
 佐藤社長の説明によると「我々が目指すのは“公共的株式会社"。水利権など課題はあるが、次のステップとしては河川を利用した小水力発電と森の木々などを利用した木質バイオマスを広めていく」とのことでした。「これまで中央に奪い取られていた地域のエネルギー資源を市民の手に取り戻し、自然エネルギー革命による地域の自立を目指す」と語る佐藤社長の姿勢には教えられることが多くありました。

 この後佐藤社長のもう一つの顔である「大和川酒造」を見学し、3年連続で知事賞を受賞したお酒を試飲しました。夕刻には昭和蔵で地元の方々の参加も得て、神田理事長の講談を披露し楽しんで頂きました。最後に全員で“日本酒パーティ”を催し交流を深めました。

会津盆地を見下ろす丘陵に立ち並ぶ雄国発電所の太陽光発電パネル群




会津電力・佐藤社長(最前列左から4人目)と共に





大和川酒造「昭和蔵」のパーティ



自然と共に生きるのか、人工放射能と共に生きるのか

 喜多方市を離れ昭和村の「からむしの里」(織姫交流館)を訪問。地元産のからむし(イラクサ科の植物)を使った伝統工芸の織物や加工品の展示を見学しました。

 次は三島町の曹洞宗西隆寺を訪問。ここがご実家である遠藤由美子さんのお話を伺いました。遠藤さんは奥会津書房の編集長の傍ら会津電力の設立にも係りました。昨年11月のシンポジゥムにも参加頂き、ご当地電力の可能性についてお話して頂きました。今回は震災後の奥会津書房でのご苦労と人々が自立し、かつ支え合いながら生きていく新しい地域社会を作ろうという強い意志を表明されました。最後に書籍を参加者全員にプレゼントして頂き、感激致しました。

 ツアー行程の最後は郡山市に赴き、いま福島県全域に広がる「放射能ゴミ焼却炉」の問題について、「放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会」の和田央子さんよりレクチャーを頂きました。説明によると福島県では、「放射性物質汚染対処特措法」で8,000ベクレル/kg超のものは国が仮設焼却炉を建てて処理することになり、現在19市町村推定24基が稼働しています。
問題点として、
① そもそも放射能ゴミを燃やしてよいのか?
② ゴミの量に対して過大な見積もりによる過大な施設
③ 秘密裏に決定され、地域住民に一切説明はない
などの指摘がありました。今後建設される中間貯蔵施設、最終処分場なども含め、国はオリンピックの開催までに放射能ゴミ問題を表面上片づけようとしています。しかし、いずれも新たな放射能拡散につながる危険性を孕んでいます。
詳細は⇒連絡会のブログ(http://gomif.blog.fc2.com)をご覧ください。

からむしの里



遠藤由美子さんを囲んで。会津三島町・西隆寺にて



「放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会」和田央子さんのレクチャー



 


 佐藤さん、遠藤さんからは次世代の子供たちに手渡す未来が語られる一方、郡山では放射能拡散という現実の問題を突きつけられました。今後我々は何をしていくべきか、何ができるかを考える貴重な2日間でした。 最後に私たちを温かく受け入れて下さった福島の皆様に感謝申し上げます。