特定非営利活動法人「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」





10.15〜16 いわき市、飯舘村を巡るふくしまツアー報告 (2016.10.24更新)

ふくしまツアー参加者募集 <飯舘村からふくしまを考える> (2016.08.29更新)

2月21日、福島のコミュニティー再生事業として、今回は南相馬へ行ってきました。 (2016.03.03更新)

会津自然エネルギー事業ツアー レポート (2015.09.16更新)

2015年9月ふくしまツアーのお知らせ (2015.07.21更新)

韓国の原発の現状を知り、日韓市民の連携で脱原発への道を拓こう 2015.4.17~20 韓国・古里原発視察ツアー報告 (2015.05.15更新)

NPOまつもと子ども留学基金 (2015.03.19更新)


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2014.1.27

韓国で市民団体と交流 福島の現状と脱原発の動きを報告

事務局長 郡司真弓

 1月8日~11日まで、企業組合「いわきおてんとうSUN」の島村守彦副理事長と一緒に、韓国の市民団体の要請で「福島の人たちの物語」と題された一連のイベントに参加してきました。

ソウル、大田、釜山などで福島の現状を伝える

ソウル市での報告会

 韓国では、福島第一原発の事故以来、放射能の影響などがメディアで大きくクローズアップされる一方で、今、福島の人たちがどのように生きているのか、日本の市民が脱原発に向けてどのような運動を起こしているかなどは、あまり知られていません。それらを課題と感じた韓国の市民団体や生協など約20団体は、実行委員会を組織し、直接福島の関係者から話を聞いて一緒に考える場の必要性を感じていたといいます。今回のイベントが企画されたのはそうした理由からです。準備期間中に、福島からの人の招聘やグッズ販売に関して、市民の一部が強硬に異論を唱えるなど、イベント開催は必ずしもスムーズにいきませんでした。
 しかし、そんな不安も払しょくされるほど、9日のソウルでは150人以上、10日の大田(テジョン)と釜山(プサン)は各70人と、計300人の市民が駆け付けてくれました。島村さんは福島の現状と住民たちの思いを語り、私は支援する立場から日本の政治状況や市民団体の動きなどを報告しました。皆さんは真剣に私たちの話に耳を傾けていましたが、「放射能の影響のある福島県になぜ住んでいるのか?」ということが多くの市民の関心事でした。
 島村さんは地域の人たちと支え合って生きてきた地域性と歴史を踏まえて、放射能被害を断言できない現状、その中で毎日不安な環境で暮らしている福島の人たちについて語りました。この数時間の報告だけで参加者の疑問を解決したかはわかりませんが、これまで放射能の影響という点だけで「フクシマ」見ていたが、その背景なども知ることができたという声も聞かれました。私たち自身も、放射能の被害について断言できないことが多く、大変歯がゆい思いをしました。

韓国も原発輸出へ。ウラン採掘が住民を圧迫する危惧も

大田市の実行委員の皆さまと

 大田市では、サンハリム生協の組合員や地域の住民団体との懇談会がありました。そこで初めて耳にしたのが、市内にある原子力研究所の存在でした。住宅地までは、わずか1.2㎞しか離れていない研究所では、秘密裏に原発開発のための様々な研究をしています。その背景には、原発を他国へ輸出して自国の経済を向上させようという政府の姿勢があります。 韓国は半島を横断してウラン鉱脈があり、すでに海外企業50社に開発権を与えています。今後、原発増設に伴い、ウラン鉱山の開発が着工された場合は、土地を奪われることなどが予測され、住民にとっては大きな問題になるはずです。

巨大送電線計画に反対する密陽市民の不屈の闘い

 最終日の11日は今、原発の送電線誘致で住民の反対運動が起こっている密陽(ミルヤン)市で住民との対話に臨みました。
 韓国には現在23基の原発があり、建設中は5基、2024年には34基になる計画です。とくに、300万人が住む大都市釜山からわずか20数キロに立地する古里(コリ)原発には6基の原子炉があり、しかもすでに建設から40年も経っています。
 古里原発にはさらに6基の増設計画があります。ソウルに電気を送るための6基の送電線計画も持ち上がっています。送電線は密陽市の4地域を通過しますが、合計765kVという非常に強い送電線です。建設予定地の近隣に住む4地域の住民は、身体や自然への影響を訴えて9年も戦い、その間12回の工事計画を中止にしました。

テント村で座り込みをしている女性たち

 しかし、昨年秋からの13回目の工事計画時には、警察3000人が住民を囲み、反対行動をしていた73人が警察に連行されるなど、国家権力の弾圧も酷くなってきました。この間、住民の2人が反対の意志を貫き、焼身自殺しました。こんな日々の中で、心の病気になっている住民も多くなっています。焼身自殺した場にテントを張って座り込みをしている女性たちの腕には、警察から暴行を受けた跡が生々しく残っていました。
  古里原発で事故が起これば、また日本海の原発が再稼働して事故が起これば、双方の国への放射能影響は必至です。原発廃止に向けて、韓国と日本の市民が連帯していかなければならないと痛感しました。そのためにも、韓国のエネルギー政策についても私たちは学ぶ必要があります。
 どこの報告会でも最後に質問されたのが「安倍政権についてどう思うか?」でした。政府間の日韓関係は、決して良いとは言えません。そんな時だからこそ、今後も、市民同士の顔の見える関係を築いていきたいと思います。

 今回、多くのメディアの取材も受けました。福島の人たちの声が届きにくくなっている今、国を越えて福島の現状を発信していくのも、私たちの役割です。今後、福島の子どもたちの保養やオーガニックコットンのプロジェクトを通して、韓国と福島の関係をさらにつなげていくことなど、新たな課題や可能性も見えてきました。



【韓国におけるメディア報道の一例】
http://www.kookje.co.kr/news2011/asp/newsbody.asp?code=0400&key=20140111.99002043742
http://www.kookje.co.kr/news2011/asp/newsbody.asp?code=0400&key=20130915.99002201243
http://m.newsis.com/inc/inc_article_view.php?ar_id=NISX20140109_0012648069&cID=10200
http://m.yna.co.kr/mob2/kr/contents.jsp?domain=2&ctype=A&site=0100000000&cid=AKR20140111045600052&mobile
http://www.idomin.com/news/articleView.html?idxno=435668