特定非営利活動法人「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」





10.15〜16 いわき市、飯舘村を巡るふくしまツアー報告 (2016.10.24更新)

ふくしまツアー参加者募集 <飯舘村からふくしまを考える> (2016.08.29更新)

2月21日、福島のコミュニティー再生事業として、今回は南相馬へ行ってきました。 (2016.03.03更新)

会津自然エネルギー事業ツアー レポート (2015.09.16更新)

2015年9月ふくしまツアーのお知らせ (2015.07.21更新)

韓国の原発の現状を知り、日韓市民の連携で脱原発への道を拓こう 2015.4.17~20 韓国・古里原発視察ツアー報告 (2015.05.15更新)

NPOまつもと子ども留学基金 (2015.03.19更新)


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2012.05.23

秋田市で原発避難者と交流

神田香織

「帰りたくないんですか」

 5月19日、ふだんは“たんすのこやし"になりがちな着物を着て伝統文化と料理をたのしむ「川反夜会」に呼んでもらいました。場所は秋田の繁華街で有名な川反の老舗「割烹かめ清」さん。女将の友子さんはとても熱心で、あらかじめ私の講談を聞いておきたいと、なんと、1ヶ月前の千葉での「チェルノブイリの祈り」と奥会津の「フラガール物語」公演に泊まりがけで来てくれたほど。
 当日は昼の部で原発事故の避難者のご家族10名を招待してくれました。休憩時間は皆さんと歓談、3時間もお話を聞くことができました。
 今、1067人の方が秋田で避難生活をしているとのこと。原発立地地域から避難しているご夫婦たちはもう住めないと諦めていらっしゃる様子だったが、そんな様子に「どうしてそんなに普通に話せるんですか、帰りたくないんですか!」と声をあらげたのは、郡山から幼い娘さんと自主避難したまだ30歳の方。夫は農家の長男で会社勤め、実家の両親や兄弟たちも帰ってこいコール。彼女は目に涙を浮かべながら「帰りたい」と。「娘が毎日言うんです、パパに会いたい…」。おそらくそれは彼女の気持ちでもあるだろう。「秋田は言葉も違うし、やはり、福島とは違う」と彼女。きっと、秋田にとけ込むのをよしとしない自分がいるのだろう。なるべくお連れ合いに来てもらい、一緒にいる時間をふやして、それから秋田での生活に自分からなじもうとしてみてと、私はありきたりのことしか言えませんでした。

「僕たちは国に捨てられたんだね」

 また、南相馬から自主避難し、仕事も秋田で見つけた40代の女性は小学生の息子とふたりぐらし。「南相馬の葬儀屋で仕事をしていた。津波で亡くなった方々が次々と運び込まれている状態で、仕事をやめて避難した、一大決心だった」と当時を振り返ります。
 「息子が2人、上の子は高校生で、何度言っても避難しないという。仕方がない、今上の子は実家の両親と暮らしているが、心配で心配で」と涙を流す。そして「息子なりに勉強してこう云っている。『自分たちは国に捨てられたんだね、おかあさん』と」。
 高校生に、子どもたちに、こんな絶望的な言葉をはかせるこの国の政府を、私たちは税金を払って養う価値があるのでしょうか。2月に静岡での「さよなら原発1000万署名」集会でご一緒した中田麻意さん(須賀川市出身、秋田県仙北市に転居)のことを聞いてみた。中田さんは元旦の地震で予定をはやめ秋田へ引っ越した。返ってきた返事に私は自分の耳を疑った。「彼女はちょっと過激なので連絡取ってない」とのこと。「脱原発とか、反原発とかはっきり言っているから」と。えっ、これほどの目にあいながら皆様は「脱原発」「反原発」でないの!? 私は当惑しながら思いました。こういう方々にこそ「チェルノブイリの祈り」を聞いてほしかったと! それにしても永年の刷り込みは大きいです。